【書評】初心者でも読める『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』でヨーロッパが100倍楽しくなる




ヨーロッパといえば美術館。でも正直、超有名な絵以外全然知らない…って人は結構多いのではないでしょうか。

かく言う私もその一人で、まだまだ詳しいとも言えないのですが、今回はそんな方でも読める、西洋美術史の流れがわかる本を紹介したいと思います。




『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』とはどんな本か

まずは『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』がどんな本なのかを紹介します。

概要

木村泰司さんはカリフォルニア大学バークレー校で美術史を修めた西洋美術史家です。

著作も多く、特に「名画は嘘をつく」シリーズも私のお気に入りです。

【書評】絵画の背景をもっと知りたい人にすすめたい、「名画は嘘をつく」の感想

目次(一部抜粋)

  • なぜ、古代の彫像は裸だったのか?ーギリシャ美術
  • キリスト教社会がやってきたー宗教美術、ロマネスク
  • 西洋絵画の古典となった3人の巨匠ールネサンス
  • 絶対王政とルイ14世ーフランス古典主義
  • なぜ、印象派は受け入れられなかったのか?ー印象派

このように各ジャンルに対して、関連するトピックを取り上げて紹介しています。

どんな人におすすめか

この本はこれから西洋美術について知っていこうという人に向けた本です。

タイトルから見て、特にビジネスパーソンを対象としています。

最初は「美術はビジネスのために学ぶものではない」という反発心がありましたが、読んでみたら普通に西洋美術の大まかな流れがわかりやすく書いてありました。

学問のための専門的な本というよりは、専門外の人が教養のために読む本という感じです。

興味付けの一冊としては読みやすく、有名な作品が多くでてくるので飽きずに読むことができるのではないでしょうか。

『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』で学べること

『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』を読んで学べることをまとめます。

世界のエリートにとっては美術史は常識である

美術史は欧米人にとって必須の教養であり、欧米社会における重要な共通認識、コミュニケーション・ツールです。(中略)欧米における「美術」は、政治や宗教と違い一番無難な話題であると同時に、その国、その時代の宗教・政治・思想・経済的背景が表れているからです。(中略)美術を知ることはその国の歴史や文化、価値観を学ぶことでもあるのです。

ヨーロッパやアメリカの人と話すと、その内容のレベルの高さに驚きます。もちろんバカな話もたくさんするのですが、政治や哲学、文化などの話も多くするのです。

そんなときに芸術の素養があることは、共通の話題がうまれることであり、一気に距離が縮まることでもあるのです。

特に文化に対する理解を示してもらえることは、心の壁を取り払うもっとも有効な手段のように感じています。

別にヨーロッパのアッパークラスの人々と今は会う予定がなくとも、いつその機会がまわってくるかわかりません。

そんなときのために、今から少しずつ勉強しておくのもよいのではないでしょうか。

ヨーロッパの美術の流れ

ギリシャ神話からキリスト教へ美術のテーマが変化していく過程、そしてルネサンスでイタリアが最盛期を迎えたころからルネサンスが終わるとともにフランスが美術大国になっていく流れ、そして産業革命が美術に与えた影響が時代に沿って丁寧にわかりやすく解説されています。

たとえば、「なぜ古代の彫像はみんな裸なのか?」「なぜ宗教美術が発達したのか?」といった疑問に答える形で話が展開していきます。

ちなみに私がもっとも気に入ったのはゴシック美術の部分でした。

ゴシック美術の代名詞と言えば日本人が大好きなステンドグラスがあげられますね。もちろん私も大好きなのですが、実は「ゴシック」は蔑称だったのです。

ゴシック様式が誕生したのはサン=ドニ修道院の聖堂の建て替え工事だったのですが、それまでのロマネスク様式とは大きく異なるこの様式は批判をよび、後のルネサンス時代のイタリア人が軽蔑の意味を込めて、「野蛮人(ゴート族)の様式」とよんだことで生まれた名称なのです。

しかし結果としてこのゴシック様式は西洋建築を語るにあたってはなくてはならないものになっていくのですが笑

そしてついでにステンドグラスの説明を少し加えます。

ステンドグラスは字の読めない人々にキリスト教の教えを伝えると同時に、窓から取り入れられる光を美しく演出しました。キリスト教徒にとっては「光=神」であり、この様式では視覚的に神の存在を意識することができたのです。

ステンドグラスの特徴としては、シャルトル大聖堂やパリのサント・シャペルなどの古いものほど色彩が濃いことがあげられます。こうすることでステンドグラスが宝石を彷彿とさせ、当時の人々が宝石の光を神のような高貴なものと見立てていたことと一致し、信仰心をより一層強めることができました。

こういった有名な作品や建築物の背景などが時代の流れとともに多く述べられています。

『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』を読んだ後にすべきこと

やはり美術館に行くのがいいでしょう。

この本で一番多く紹介されているのがルーブル美術館の作品なので、フランスを中心にまわってみるのがよいかもしれません。

むしろフランスに行く前の人はなにかしらこういった本を読んでから行くべきではないでしょうか。そうすることで楽しさが倍増すると思います。

いきなり海外に行くのは…という人でも、国内でもたくさん美術展がやっているので、一度行ってみると実感を持つことができ、もっと興味を持つことができるのではないでしょうか。

まとめ

今回紹介した本はもちろん西洋美術史のすべてを網羅しているわけではありませんが、基本的な流れをわかりやすく、初心者でも興味が持てるように書いてあります。

西洋美術のことが少しでもわかるようになると、ヨーロッパってやっぱり素晴らしいなあと改めて思えるようになります。

ぜひ少しでもいいので勉強してみることをおすすめします。