これだけは見ておきたいオルセー美術館の必見おすすめ作品【ヨーロッパ美術館巡り②】

オルセー美術館にあるゴッホの星月夜




もともと駅舎であった建物を美術館にしたのがこのオルセー美術館です。

ルーブルよりはだいぶ小さいですが、それでもかなりの数の作品があり、どうまわればいいのか最初は迷います。

結論から言うと、

0階→5階→2階

の順にまわれば時代順に観ることができます。

ちなみに主要作品は0階、2階、5階に集中しているため、真ん中の階は今回は飛ばしました。

ということでこの記事ではオルセー美術館の代表的な作品についてまとめていきたいと思います。

【関連】パリの美術館をお得にまわりたいならパリミュージアムパスがおすすめ:パリの美術館をお得にまわれるパリミュージアムパスの使い方【60か所以上に入場可能】

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オルセー美術館の必見おすすめ作品:0階

入口がある0階の展示作品です。

ミレー

0階にあるミレーの作品についてまとめていきます。

晩鐘

オルセー美術館にあるミレーの晩鐘

農作業中に教会の鐘が鳴り、作業を中断し祈りを捧げる貧しい夫婦の様子。

敬虔さが伝わってきます。

派手さはないのになぜか惹かれてしまいます。

精神的な美しさが見えるからでしょうか。

しかしこのように「敬虔で清貧な画家」というミレーのイメージは、どうやら日米のみで持たれているもののようです。

特にこの絵は節制を説くプロテスタントにとってはうってつけの作品です。

プロテスタントの国アメリカでは大人気だったものの、カトリックであるミレーの本国、フランスでは風刺漫画化されてしまいます。

日米では成人のように扱われているミレーですが、ミレー自身は特に信心深かったわけではなく、祖母や母の葬儀に出ることもなく、妻が病死して一年もたたずに再婚するなど、なかなかの行動です。

話は飛びますが、ミレーに影響を受けた画家として有名な人物にゴッホとダリがいます。

ゴッホはこの晩鐘に大変感銘を受け、のちに貧しい農民を描いた作品を多く残します。

反対にダリはこの絵に非常に不安感を持ち、死のイメージを感じ取ったと言います。

そしてなんとX線検査までして、その結果この夫婦の足元のかごの中に描かれているのは二人の間にできた赤ん坊の遺体であると言い、そのために祈っているのであると主張しました。

ただしこのミレーの説は非常に不評だったようです笑

落ち穂拾い

オルセー美術館にあるミレーの落ち穂拾い

遠くにあるわらの山、馬に乗った豊かな地主と対照的に、刈入れが終わった農場でこぼれものを拾うしかない貧しい農民。

この作品が描かれた当初、貧富の差を糾弾し、社会主義を唱える意図があるなど、政治的な思想が含まれていると考えられたこともありました。

しかしミレーは特に社会主義をとなえたり、貧困を強調したかったわけではなく、単純にこの落ち穂拾いという見慣れない習慣に感心したからこの絵を描いたようです。

しかし確かにそれまでフランス絵画で良しとされてきた、理想主義的な絵画とは一線を画しており、社会の変化に応じて絵画も変わっていっていることが見て取れるのもまた事実です。

マネ

0階にあるマネの作品についてまとめていきます。

オランピア

オルセー美術館にあるマネのオランピア

性的に奔放であることを暗示する脱げたミュール、メイドの持った贈り物の花束、性的興奮を示す猫の尾など、他の人から見たら確実に娼婦であったと思われた作品です。

そのため世間からは非難の嵐でした。

実際当時のパリには12.5万人もの娼婦がいたとか。これは当時の人口で考えると女性の6~7人に一人というものすごく多い数字です。

そんな中でもどうせなら高級な娼婦を目指す人たちが集まったのがオランピア劇場だとか。

こういった社会情勢であったことも娼婦を描いたと思われたことで叩かれた要因かもしれません。

しかし実際のところこの絵に描かれているのは本物の娼婦ではなく、マネのお気に入りのモデルでした。

オルセー美術館の必見おすすめ作品:5階

つづいてオルセー美術館の5階にあるおすすめ作品について書いていきます。

マネ

5階にあるマネの作品についてです。

草上の昼食

オルセー美術館にあるマネの草上の昼食

当時の画家にとって成功するのに必須だったことがサロンに入選することでした。

しかしこの作品が出品された年はとりわけ審査が厳しかったことで知られています。

そして審査員と皇帝の間でトラブルが起き、落選店が開催されることとなります。

そしてこれはその落選展で批判の嵐、大スキャンダルを起こした作品です。

というのも、男性と裸婦がいることで、売春の絵を描いたものと思われたからです。

しかし実際はこの裸婦はオランピアと同様、マネのお気に入りのモデルに過ぎず、娼婦を描いたものではありませんでした。

総じてマネは絵の中の女性を娼婦と思われて叩かれることが多いような気がします笑

バルコニー

オルセー美術館にあるマネのバルコニー

18世紀スペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤの「バルコニーのマハたち」をもとに描かれた作品と言われています。

これもまた批評家からバッシングを浴びます。

マネの作品で批判を浴びていない作品はあるのでしょうか笑

モネ

5階にあるモネの作品についてです。

モネ(Monet)とマネ(Manet)は名前の綴りが似ているため、署名がしばしば混同され、後発のモネに対して当初マネは良い印象を持っていなかったとか。

草上の昼食

オルセー美術館にあるモネの草上の昼食

モネがマネの草上の昼食に影響され、現代風に描いた作品です。

絵が切れているのは滞納した家賃代として大家に没収され、取り戻した時には損傷著しく切断するしかなかったらしいです。

悲しすぎますね。

かささぎ

オルセー美術館にあるモネのかささぎ

モネの妻と子供が描かれています。

モネの家族に対する深い愛情が感じられる作品ですね。

ちなみに二人はこの丘の上と下に両方描かれていて、時間の経過が表されています。

日傘をさす女

オルセー美術館にあるモネの日傘をさす女

モデルとなっている女性には諸説ありますが、おそらく早世した妻カミーユだと言われています。

この絵の後、モネは人物画を描かなかったそうです。

ルーアン大聖堂

オルセー美術館にあるモネのルーアン大聖堂 オルセー美術館にあるモネのルーアン大聖堂 オルセー美術館にあるモネのルーアン大聖堂 オルセー美術館にあるモネのルーアン大聖堂

季節、時刻が異なる状況でルーアン大聖堂を同じ場所から描いた作品。

5枚あるらしいのですが私が行ったときは4枚しかありませんでした。

どのような条件で描いたのか、当時の情景の想像が膨らむ作品です。

睡蓮 緑のハーモニー

オルセー美術館にあるモネの睡蓮 緑のハーモニー

膨大な数の睡蓮を残したモネ。これも睡蓮です。

日本の田舎とかにありそうな雰囲気でいいなあとか思ってたらどうやらこの橋は本当に日本風に作られていたみたいです。

直感が当たりました笑

青い睡蓮

オルセー美術館にあるモネの青い睡蓮

そしてこれもまた睡蓮です。

オランジュリー美術館にあるものよりはだいぶ小さいですが、それでもそれなりの大きさです。

ルノワール

ルノアールの作品についてまとめます。

ぶらんこ

オルセー美術館にあるルノワールのぶらんこ

ルノワールが当時住んでいた家の近くのぶらんこで遊んでいた人々を描いたものです。

モデルとなった女性はムーラン・ド・ラ・ギャレットのモデルの女性と同一人物であるともいわれています

ルノワールのこのような光の描写方法は今でこそ評価は高いものの、当時はその斬新さゆえに酷評されました。

田舎のダンス/都会のダンス

オルセー美術館にあるルノワールの田舎のダンス/都会のダンス

左が田舎のダンスで、右が都会のダンスです。

素朴な田舎の娘と、洗練された都会の娘。

田舎の娘は朗らかで、都会の娘はすまし顔。

実は二人ともルノワールの恋人でした。

二股をかけていたことになりますね。

最終的に結局田舎のダンスのモデルの女性と結婚します。

ムーラン・ド・ラ・ギャレット

オルセー美術館にあるルノワールのムーラン・ド・ラ・ギャレット

木漏れ日の中、談笑したり踊ったりして楽しそうな様子が見るだけで伝わってきます。

私はルノワールの作品の中ではこれが一番好きです。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットはパリのモンマルトルにあるダンスホール兼居酒屋のような施設です。

この絵が描かれた時、モンマルトルは労働者階級の町であり、この絵も本来なら労働者階級が鬱憤を晴らしに来ている様子などが描かれているはずです。

しかし同じく労働者階級だったルノワールは、「楽しくなる絵しか描かない」といったことを信条としていたため、この絵もニスで絵が輝いているかのような加工をし、友人たちをモデルにし、明るい光景を描きました。

オルセー美術館の必見おすすめ作品:2階

最後にオルセー美術館の2階にある作品についてまとめます。

ゴッホ

2階の見どころはゴッホの作品です。

ローヌ川の星月夜

オルセー美術館にあるゴッホのローヌ川の星月夜

ゴッホの作品の中でも1,2を争うレベルで私が好きな作品です。

星の自然な光と、川沿いの町の人工的な光、どちらも美しい。

青と黄色の色合いも絶妙です。

しかしこの絵、実は少しおかしな点があります。

この絵に描かれている星に、北斗七星があります。

そして左側にアルルの街が描かれているのですが、北に向かって描いているなら、本来街は右側に描かれるはずなのです。

新しく住むことになったアルルと、昔からなじみのある北斗七星に対する感情を、ゴッホが自由に組み合わせて表現したことがわかります。

自画像

オルセー美術館にあるゴッホの自画像

気難しい顔をしていますね。

これは耳を切った後です。

背景の青い渦が心理状態を表しているという説もあります。

オーヴェールの教会

オルセー美術館にあるゴッホのオーヴェールの教会

ゴッホは精神病院を出た後、人生最後の数週間をオーヴェールで過ごしました。

この絵はそのときに描かれた作品です。

シエスタ

オルセー美術館にあるゴッホのシエスタ

ゴッホが精神病院にいたころに描かれたとされるシエスタ。

ミレーの絵を参考にしているようです。

ゴッホといえば黄色か青のイメージですよね。

オルセー美術館に行く前に読みたい本

オルセー美術館などパリの美術館に行く前に予備知識があれば何倍も絵の鑑賞を楽しむことができます。

そこでぜひ本を何冊か読んでいくことをおすすめします。

私のおすすめは木村泰司さんの「西洋美術史」と「名画は嘘をつく」です。

「西洋美術史」は教養として知っておきたい絵画の解説などがわかりやすくまとめられています。

「名画は嘘をつく」は有名な作品たちの意外な事実が書かれています。

どちらも読みものとして面白いため、オルセー美術館に限らずヨーロッパの美術館に行く前にぜひおすすめしたい本です。

オルセー美術館の必見おすすめ作品まとめ

ルーブルよりは小さいけれども十分にボリュームがあるオルセー美術館。

ぜひまわりかたの参考にしてみてください。

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関連記事:パリの美術館をお得にまわれるパリミュージアムパスの使い方【60か所以上に入場可能】

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入場料:一般€12、EU圏外の18-25歳€9、18歳未満・EU在住18-25歳無料
公式サイト:オルセー美術館

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